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回線情報の調査方法~ホスト名に含まれる手掛かりを活用~
IPアドレスからわかるのは、位置情報や企業情報だけではありません。「利用している回線は何か」などの接続環境に関する情報も、IPアドレスから判定が可能です。このページでは、IPアドレスから接続環境情報を判定する方法についてご紹介します。
ホスト名から回線種別を推定する
IPアドレスから「どんな回線を利用しているのか?」がわかります。そのためには、ホスト名とインターネットサービスプロバイダ(以下、ISP)について理解しておく必要があるので簡単にご説明します。
ホスト名とは、IPアドレスに付けられた「名前」です。IPアドレスは数字の羅列であり人間が理解しにくいので、「www.docodoco.jp」などのように、人間が見てもわかりやすいような名前がつけられています。
ISPとは、インターネット回線に接続をしてくれる業者です。インターネットをする時は、まずこのISPに接続するものと覚えておいてください。
このホスト名とISPを使い「FTTH(光回線)」「ADSL」など、回線種別をどのように判別するかご紹介します。
まず利用しているISPが提供している接続回線が1種類しかない場合、「このISPを使用しているIPアドレスだ」ということがわかれば、自動的に回線種別がわかります。例えば、ケーブルテレビ局は、CATV回線による接続サービスのみ提供するのが一般的です。そのためケーブルテレビ局が保有しているIPアドレスは、回線種別が「CATV」であると判別できます。
一方、複数の接続回線を提供している場合は少し工夫が必要です。
ISPが利用している「ホスト名」に含まれた判定キーを利用して回線種別を見分けます。
例えば、「fa.xxx.odn.ad.jp」というホスト名だった場合、「fa」の部分が回線種別を判定できる部分で、これは「フレッツADSL」を利用していることがわかります。このようにして、IPアドレスから回線種別を判定できるのです。
図:ホスト名から回線種別を判定する
この方法は「どこどこJPの位置情報の調査方法を詳しく解説」でご紹介した、ホスト名から位置情報を推定する方法と似ています。
IPアドレスに対して、人が管理しやすくするために名前をつけたものが「ホスト名」なので、管理のためのキーもISPによってバラバラ。そのため、ルールの推測や検証には、ISPやネットワークに関する深い知識を持つ専任のスタッフ(Net Tracer)が当たっています。
企業のIPアドレスの回線種別
企業が使用している固定IPアドレスのホスト名には、多くの場合、回線を判定する手掛かりがありません。弊社では、企業のIPアドレスに対しては一律「FTTH(光回線)」と判定しています。企業がナローバンド(速度の遅い回線)を使用している可能性は低いという考え方から、このような判定ルールを設けています。
図:企業が使用しているIPアドレスの回線種別
まとめ
- IPアドレスから、位置情報や企業情報だけではなく「利用している回線」の判定も可能。
- ホスト名はIPアドレスにつけられた名前。
- ISP(インターネットサービスプロバイダ)は、インターネットに接続するために必要な回線接続業者。
- 利用しているISPの接続回線が1種類しかない場合はIPアドレスから回線種別を判別する。
- 利用しているISPの接続回線が複数ある場合は、ホスト名から回線種別を判別する。
- 企業のIPアドレスに対しては一律「FTTH(光回線)」と判定している。